公開講座

「老化と高齢社会」

    7月20日(土)14:30-17:30
    東京大学弥生講堂(一条ホール)

 21世紀わが国は先進国の中でも、飛び抜けて早く高齢社会を迎えることになります。これは世界一の長寿国としての輝かしい地位かもしれません。また戦後の第1次、第2次ベビーブームによる団塊の世代が、壮年と初老期を迎える生物学的事象でもあります。高学歴・晩婚化の結果としての少子化とプログラム的高齢化が進む中で、暗い将来展望や危機説がかまびすしい昨今です。いらぬ心配でヒステリックになる必要はありませんが、極楽トンボでは次世代にたいして責任がとれません。
 今回の霊長類学会公開講座では、医学部出身で高齢化社会のフィールド科学と政策提言を行っている藤正先生に、迫りくる高齢社会の新しいパラダイムに基づく対応法を紹介していただきます。また、生物としてのヒトという霊長類学の基本スタンスに立って、比較社会学として、我々に最も近いニホンザルの老化社会について糸魚川先生に講演していただきます。さらに、米国でのサル類の老年病の第1人者である宇野先生に、サル類で見られる加齢性疾患について、その経験を紹介していただきます。
 悲観的になりすぎず、楽観的になりすぎて無責任にならないように、3名の講演者に、それぞれの立場で、如何に生きるべきか提言していただけたら幸いです。
(第18回日本霊長類学会大会長 東京大 吉川泰弘)

座長:吉川泰弘(東京大)

1)ウエルカム老人社会
       藤正 巌(政策研究院)

2)ニホンザルの高齢社会
      糸魚川直祐(武庫川女子大)

3)老化と老人病-サルとヒト-
       Hideo Uno(元ウイスコンシン大)