ウ国には国立の共和大学が1校、私立が数校あると書きましたが、私立はカトリック系の文科系大学が1校しかありません。 また、大学とは一寸違いますが3〜5年制の職業学校的な国立職業大学が1校あります。 訂正します。
ウ国では小学校6年、中学校前期3年、後期3年で、後期は文科、理科に分かれ大学進学資格試験さえ通れば誰でも無料で共和国大学へ入ることができます。 この大学は南米では有数な大学の一つです。 厳しい落第制度があり一度も落第しないで卒業する学生は殆んどいません。 学部は下の表でみられるように12学部あります。 この表はEL OBSERVADOR紙 (1997年3月16日)から引用したものです。 この新聞は、政治、経済面が主のかたい新聞です。 一般紙としては、とくに男性が読むそうですが、EL PAIS紙が有名です。
学部 資格等 最小卒業年数 平均在学年数 --------------------------------------------------------------------- 農学 Ingeniero agronomo 5 9年11ヵ月 建築 Arquitecto 6 12年11ヵ月 理学 Astronomia 4 8年 1ヵ月 Ciencias geograficas 4 13年 1ヵ月 Geologia 4 6年 7ヵ月 Ciencias biologia 4 9年 6ヵ月 Fisica 4 6年 5ヵ月 Matematica 4 6年 1ヵ月 経済 Cdor Publico Plan 80 5 8年 7ヵ月 Economista Plan 80 5 9年 9ヵ月 社会 Licencia en Sociologica 4 7年 Ciencias Politicas 5 5年 4ヵ月 (10年4ヵ月の誤り?) 医学 Doctor en Medicina 8 10年 8ヵ月 歯学 Doc. en Odontologia 5 7年 7ヵ月 化学 Ing. Quimico 6 9年10ヵ月 Quimico Farmaceutico 5 10年 2ヵ月 獣医学 Doc. Medicina y Tecnica Veterinaria 6 10年 9ヵ月 法学 Abogado 6 9年 2ヵ月 Escribang Publico 6 8年 4ヵ月 Relac. internacionales 4 5年 3ヵ月 人文学 Lic. en C. Antopologicas 4 7年 7ヵ月 Lic. en C. de la Edcacion 4 6年 2ヵ月 Lic. en Historia 4 14年 1ヵ月 Lic. en Letras 4 18年11ヵ月 Lic. en Linguistica 4 11年 3ヵ月 工学 Ing. Agrimensor 4 7年 8ヵ月 Analista Programador 3 5年10ヵ月 Ing. en Computacion 5 7年 6ヵ月 Ing. Industrial 6 11年 Ing. Civil Estructural 6 10年 4ヵ月 Ing. Civil Vial 6 9年11ヵ月 Ing. Naval 6 6年11ヵ月 ---------------------------------------------------------------------
表中、資格等の所は英語とよく似ているので見当がつきますが、若干説明を加えますとIngenieroは農学、工学、化学部卒業生に与えられる称号で、Doctorは医学、歯学、獣医学および法学(弁護士コース)を卒業した人に、Licenciaは人文学部等卒業者に与えられます。 一度尋ねたことのある大きな牧場主の名刺には「Gonzalo Gaggero,Ingeniero agronomo」と書いてありました。
EL OBSERVADOR紙は、2面をさいて共和国大学における在学年数の多いこと、そのための国の経済的負担が大きいことをとり上げて報道しています。 表でおわかりのように在学年数のもっとも多い学部コースは人文学部の文学(4年でよい所を平均18年11ヵ月在学)で、平均在学年数が最短卒業年数の倍以上の所が沢山あります。 私共のJICAチームでアルバイトをしているM嬢は日西語ともに堪能で有能な女性です。 彼女は経済学部に7年間在学していますので私どもは時々からかっていましたがまだ平均の在学年数以下でした。
1986年には入学者が15,683人、卒業者が3,620人で23.1%、1994年には入学者13,052人、卒業者2,724人で、20.8%の割合で、ここ10年間は両者の比率は20〜25%でほぼ同じ割合です。 全ての学部をプールすると卒業者1人あたりにつぎこむ国家予算は約15,500ドル(1,906,500円)になると推定されています。 私立大学では1人当り25,000ドル(3,075,000円)かかっていて、個人負担です。
最近のデータでは、課程在学中の学生は全体の56.9%、卒業者11.3%で残りの31.8%が休学中といいます。 休学の多い学部(学科)は助産婦コースが66.7%、コミュニケーション科学66.0%、人文学部55.6%などで少ない所は建築学部11.3%、医学部17.4%、農学部22.2%などです。 休学者と在学者の割合は収入の多少(親の?)によってあまり左右されませんが、働く時間が多い人ほど休学が多いのは当然でしょう(休学の割合;全く働かない16.1%、週40時間以上働く43.3%)。
ここでも女子学生が次第に多くなり1988年には男子42%、女子58%となっています。 出身地別ではモンテヴィデオ市が全体の70%、内陸部の中小都市28%、内陸部の田舎2%となっています。
入学試験がすべてを決定するような日本の大学と正反対の制度ですが、その問題点などいろいろ考えさせられます。
なお、ウルグァイの大学のWWWは農水省家畜衛生試験場の次のwebから入ることができます。
http://ss.niah.affrc.go.jp/collection/university/Uruguay.html