前にも書きましたように、私のいるホテルからはランブラという海岸沿いの道がよくみえます。 そこでは、朝早くから夜迄犬を連れて散歩する人をよく見かけます。 私も犬が大好きで日本では近所の犬をつれてよく散歩しますが、犬にひきずられ、それも右に左に急に動くものですから手は痛くなるし、まして他の犬を見かけようなら吠えるやら、ひきずるやらおおごとです。散歩する時は遠くを見ていて他の犬の姿を見たら出会わないようにいちはやく横道にそれるようにしなければなりません。 とても女、子供に犬の散歩をまかすことはできません。 ウルグァイでは大きいものから小さいものまで様々の犬がいますが、共通していえることはどの犬も主人のいうことをよくきくことです。 犬はリードをつけていようが離れていようが主人の横にぴったりとついて歩きます。 浜辺などでは海に入ったり自由に動き回っていますが、絶えず主人の方に注意して一声でそばに来ます。 止ったり、座ったり、物をとってきたり実に従順です。 他の犬と出会っても喧嘩どころか吠えることもせずお互いに知らんふりをして通り過ぎます。 殆ど去勢しているのか、躾の仕方が日本と違うのか、訓練所に入れるのか、その辺のことをいつか聞いてみたいと思っています。
私どものプロジェクトチームに犬の本を書いて有名になられたT専門家がおります。 同博士によれば、今迄ウルグァイで見かけた犬の品種はマスチフのように大型のものからシーズー、ダックスフントのように小型のものまで16種類で、多いのはジャーマン・シェパード、ダルメシアン、シーズーなどとのことです。 雑種ももちろんいますがそれ程多くはないそうです。 飼い犬はほとんど尾を短くしてあります。
一寸前(3月20日)にモンテヴィデオから東北へ約300kmのトレインタ・トレスという町の近くの牧場に行きました。 トレインタ・トレスとはスペイン語で33のことですが、かつて、この国が独立する時に大きな役割を果たした33人の勇士の出身地であることからついた名称で、その人達の銅像がある所です。 人口はせいぜい4〜5万人位でしょうか。 ところで、その牧場で面白い縞模様の犬を見ました。 大型で体つきは頑丈、顔は余り美形でなく、耳の先の方が円くて垂れています。 色は全体的にやや黄味がかった焦茶色ですが顔から体幹部に虎のような(そんなにはっきりとはしていませんが)黒い縞模様が入っています。 毛質は硬く短毛です。名前は Cimarron とか Criollo とかいって、いずれも「土着の」とか「野生の」という意味の品種?だそうで、今は純粋なものは殆どいないそうです。 この犬も他の品種がまざっているといっていました。 顔付きに似ずとても大人しくて愛嬌があり、お座りをしたり、お手をしたり、さかんにサーヴィスしてくれました。
帰ってきてよくみると雑種のなかでも先程のシマロンのような毛色をして黒い縞らしき模様の入っている犬を時々みかけます。 やはりかなり大型です。 なお、この国では狂犬病は完全に撲滅されていますが、エキノコックスが時々発生するとのことです。
よく見かける犬に対して猫は殆ど見かけません。 ショッピング・センターの近くの家に10頭ばかり庭でゴロゴロ寝ているのを見ただけです。
北京では、犬を飼うことが禁じられているらしく(1995年11月現在)犬はもちろん猫もあまり見かけませんでした。 街の中に犬や猫がいないというのは何か不自然な感じがしました。