前にウルグァイ共和国大学の学生の在学年数などのことを紹介しました。 今回は、たまたま、新聞に大学教官の公募が出ていたので公募方式について紹介します。
4月17日(1997)のEL OBSERVADOR紙に次のような掲示が出ていました。
共和国大学獣医学部 | モンテヴィデオ、4月16日、1997 | ||||
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掲示 No.60/97 | 業績、試験審査 | ||||
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応募者は 1)記載方式に従い
2)IDカードとC.Civica(*4)を提示し
3)それぞれに対応する証明書を付した業績関連書類オリジナル1部、コピー3部を提出すること。
ただし、証明書がコピーであるときはオリジナルを提示すること。
申込み時刻と場所:月曜日から金曜日までの9時から13時まで。
選考委員会事務局(A. Lasplaces 1550(*5))。 この委員会事務局には応募者からの書類を6ヶ月間保存する権限とその終了時には破棄する権限が与えられている。 |
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選考委員会事務局 |
後藤 注)
今回の例のように、大学の教職員に欠員が生じた場合、ウ国ではその公募を一般紙に掲示するのがふつうです。 4月24日のEL OBSERVADOR紙にも獣医学部の臨床、病理、外科および馬学関係各1名(計4名)の助教授(教育職等級3)、理学部の古生物(脊椎動物)学準教授(等級4)等4名の助教授、化学部有機化学助教授(等級3)の公募がそれぞれ掲示されています。
今は違うかもしれませんが、日本の場合はその教室に後継者がいるときは公募しないのが普通で、仮に公募しても民主的に選考したと思わせるためのいわゆる当て馬の場合が多いように思います。 意外に多いのは大学同窓関係などの縁故による採用でした。 また、公募といっても関連分野の大学学部や研究所に掲示を依頼するのが通例です。 「化学と生物」誌など専門的な普及誌に公募が掲示されることがときどきありますが、ウ国のように一般紙に掲示されることはありません。 もう一つ私が驚いたことがあります。それは掲示の中で「協議会」と訳したConsejoというところです。 研究所の研究員にその構成メンバーを尋ねたところ 注)*1のように学生3名、部外者(卒業生)3名が入っていました。 これらの人からなる会議が大学の人事にまで関与するとは、日本では全く考えられません。