人獣共通感染症連続講座 第173回

(11/3/06) 

「BSEの危険度はどこまでわかったかープリオンの科学最前線」


 非定型BSEについて孤発性BSEの可能性が問題になっていることを本講座(第172回)でご紹介しましたが、プリオン説でノーベル賞を受賞したスタンレイ・プルシナーは以前から孤発性BSEの可能性を指摘していました。
 今年の1月、NHK国際ラジオ放送でプルシナーと私の電話対談が放送されましたが、その中でも、彼は全頭検査が孤発性BSEも検出できる点を強調していました。
 このプルシナーと私の対談の抜粋が、科学11月号(岩波書店)の表記の特集の中で紹介されています。この特集の内容は下記のとおりです。

 

「対談」
スタンレイ・プルシナー、山内一也:全頭検査こそ合理的—手放さずそれを世界に広げるべきだ

 

「緊急座談会」
金子清俊、神田敏子、水澤英洋、山内一也:何が問われるべきかー私たちは米国産牛肉は食べない

 

「プリオンの科学」
毛利資郎:クロイツフェルトーヤコブ病とはどんな病気か

山内一也:BSE感染リスクの評価にかかわる研究の現状

片峰茂:プリオン仮説(タンパク質単独犯説)は本当か

倉橋洋史、中村義一:酵母においてはプリオン説は証明された

横山隆、舛甚賢太郎:特定危険部位以外におけるBSEプリオンの蓄積
八谷如美、金子清俊:正常型プリオン蛋白質の機能にどこまで迫ったか


「牛肉と社会」
北林寿信:米国の肉牛生産の現状と狂牛病—“必然”の病をくいとめるには

中嶋康博:フードシステムに再編を迫るトレーサビリティー牛肉の経験から明らかになったこと

田中敬子、坂本清彦:BSE問題に対するアメリカ世論の反応—国際化する食品リスクを比較社会学の視点から考える


「わたしにとってのBSE」
日和佐信子:リスク分析の枠組みはうまく機能しているだろうか
河合誠義:検疫という防護壁
中川坦:農水省は変わったかー不信からの出発


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